2018.07.14

小西六のオススメ HEXANON 52mm F1.4 Fマウント

オールドレンズ写真家の上野由日路(よしひろ)です。
オールドレンズの魅力は独特な写りとリーズナブルな価格。そして掘り出し物を見つける宝探し感。安くてよく写るレア玉をゲットしたときは次の撮影が楽しくなる。そんな3拍子そろったおすすめ玉をこっそり教えます!

小西六 KONOSHIROKU HEXANON 52mm F1.4

小西六というと、若い人にはなんの会社?と思われるかもしれないが、現在で言う「コニカ」のこと。最近の人は、コニカがカメラメーカーだったことも知らないかもしれない。明治時代の初めに「小西屋六兵衛店」として創業して以来写真薬品やカメラを扱う老舗のひとつだった。コニカはもともと小西六のカメラという意味であったが後に社名となった。2003年にミノルタと合併して「コニカミノルタ」となり、2006年にカメラ事業から撤退している。ちなみにコニカミノルタの一眼レフ事業は、ソニーに譲渡されている。ソニーのαシリーズは、ミノルタのαシリーズを引き継いだものである。

前置きはさておき、今回紹介するレンズはまだ社名が小西六だった時代のヘキサノン52mm F1.4だ。このレンズは1960年コニカ初の一眼レフKONICA F用に設計されたレンズでその後継機FSやFP用として発売された。1965年には新たにARマウントが採用されるので5年しか採用されなかった幻のマウントだ。


このレンズを採用するにはマウントの変換が必須であるが純正のKONICA F→AR変換マウントはレアアイテムで入手は困難である。僕はFマウントの接写アダプターを改造してライカMマウント化した。

レンズ構成は5群7枚のダブルガウスタイプ。ライカのズマリット(ライツクセノン)を踏襲した形だ。

当時は世界的にF1.4クラスのレンズの新作ラッシュでありとあらゆる構成のレンズが登場していた。ヘキサノンは後に標準的な構成になる形を当時から採用していた。

写りは背景がざわざわと絵画調に玉ボケ、ゴーストやハレーションが盛大に出る。
オールドレンズ使いとしてはオールドレンズの魅力を凝縮したオススメのレンズといえる。

マウントの入手がやや困難であるがレンズ本体は安価なのでトライしてみてもいいかも知れない。