2018.07.06

おすすめのオールドレンズはこれだ!第1回:旭光学工業 Super Takumar 50mm F1.4

こんにちは!
玄光社フォトテクニックデジタルでオールドレンズのススメを連載しております、鈴木 啓太/urbanです。
LENS HOLICでは本誌で書ききれなかったレンズの特性や、おすすめのレンズを紹介していきます!
よろしくお願いします。

さて、世の中に無数にあるオールドレンズ 、皆さんはファーストレンズに何を選びましたか?
ヘリオス、ロッコール、ズイコー、ツァイス、ライカなど…
僕はインスタで知り合ったカメラマンが使っていたSuper Takumarに一目惚れしたことがきっかけで、深い深い沼地へと沈んでいくことになりました…
第1回目はその罪深いTakumarを紹介します。
Super Takumarは、旭光学工業(現ペンタックス)により1962年から約10年に渡り製造されたレンズです。
TakumarにはSuperのほか、Auto、SMC等、製造時期によって様々なバージョンが存在します。

当時、ペンタックスのフィルムカメラのセットレンズとして販売されていました。
ロングセラーだった事もあり、幾度もの性能改善が行われました。
その過程でトリウムと言われる放射性物質をレンズに取り入れたことで、かなりの性能改善が図られたと言います。では、早速作例を

描写のバランスが良いF2での撮影。
Super Takumarの特徴の1つは「ゴースト」です。
ゴーストというのは、レンズ内での光の反射が写真に写りこむ現象のこと。
この写真では、太陽の周りに弧を描くように現れています。
本来、不要な描写のため、現行レンズでは出ないようチューニングされていますが、Takumarを筆頭にこの時代のレンズではそれはもう面白いくらいにバンバン出ます 笑

夕陽を捉えた写真ですが、何となく黄色いですよね?
これは、先述のトリウムによるレンズの黄変現象が原因。
デジタル機ではAWB(オートホワイトバランス)機能があるためあまり気になりませんが、時間帯、光の角度によってこのようにかなり黄色くなります。

ボケは非常になめらか。
そして光の捉え方が美しい。
こういった特徴にハマってしまう方も多いと思います。

僕もその一人です。
SuperTakumarは50mm F1.4の他に55mm F1.8も存在します。
これらの違いは主にゴーストの形です。
50mmは比較的おとなしく、55mmの方がやや派手。
55mmのゴーストは被写体の周りを包み込むような、鮮やかなゴーストを出現させることができます。
この辺りはおいおい紹介していきますね。

近年のオールドレンズブームによりやや価格は向上しましたが、それでも1万円以内で購入可能。
オールドレンズの特徴となるゴーストを発生させることができ、かつ安価でF1.4の明るさを持つ標準レンズとして非常におすすめです。
オールドレンズを多数所持している今でも出番がある程、優秀なレンズです。
ぜひ使ってみてください!