ノスタルジックな描写と可愛い外観が魅力!ドイツ製シネレンズ Cine-Xenon 25mm F1.4
はじめまして!
オールドレンズやシネレンズの虜となり、彼らのいざなう楽園のような瞬間を「わたしのエデン」と呼んで作品を制作しております。
写真作家の上岡エマ(うえおかえま)と申します。
記念すべき一投目の記事は、私がオールドレンズの世界に足を踏み入れるきっかけとなったレンズ。
Schneider-Kreuznach Arriflex Cine-Xenon(シュナイダー クロイツナッハ アリフレックス シネクセノン) 25mm F1.4 をご紹介いたします。
羽根のようなつまみがついている、見た目にも可愛いこのシュナイダー社シネクセノンレンズは、アリフレックスというムービーカメラ用に作られた映画用シネレンズです。
私の個体は1961年ごろ、ドイツ(Schneider社)で製造されたものになります。
この羽根(写真レンズ下についているシルバーのつまみ)は指をかけヘリコイドをスムーズに回すためのものですが、きゅんとくる可愛さを持っています。
このレンズは絞りリングのクリックストップ(カチッカチッという手ごたえで段階を知らせてくれる)の有り無しを切り替えできます。クリックストップのない設定では、ホワイトアウトやブラックアウトなどの演出が滑らかにできるようになります。まさに、シネレンズならではの仕様です。
こんな機能を知ってしまったら、スチールのみならずムービーも撮ってみたくなりますよね。
写りを見る前にもかかわらず、かなりぐいぐいと惹きつけられてしまいました。
そんなシネクセノンが、PENについたらこんな感じ!
Recoiler(旧Recoil)さんのカメラケースとストラップも合っていて、クラスアップ感にご機嫌です♪
こんなカメラとレンズを身に着けて歩くだけで、いつもの通勤通学路も素敵な被写体でいっぱいに見えてきそう(←妄想)!!
そんなときめきをくれるこのレンズの写りはというと・・・
行きつけのカフェ「R座読書館」さんの、ノスタルジックな店内も。
あたたかみあるお店の空気を、どこか懐かしさとともに写し撮ります。
四隅がすこし黒くなっているのがわかるでしょうか?
「ケラレ」と言い、設計の想定より大きいセンサーサイズの関係で、フードの影が写りこんでいる状態なのですが、
周辺光量落ちのような雰囲気をたのしむことができます。
テーブルフォトにも使いやすい画角が魅力的。
最短撮影距離が35cm程なので、かなり近くのものも寄って撮ることができます。
又、室内などで白っぽい画像を撮るとよくわかるのですが、グレーがかったスモーキーな写りをします。
写真のチワワはうちの王子。Crownです。
ふわふわボリューミーなコートのおかげで丸々して見えます(笑)
愛犬フォトは可愛く元気に!というのも良いですが、
シネクセノンでこんなふうに撮るのも雰囲気があって好きです。
家でも外でも、ノスタルジーな空気感を出したいときに連れて行くことが多いです。
その他特徴的な効果としては、
玉ボケ(画面上方)が楕円状になり、中心からぐるぐると渦をまいてるように見えることから、
「ぐるぐるボケ」と言われる描写だったり、
画面右上の光源から左下にかけて、フレアやゴーストと言われる効果が発生します。
出し方は、一度レンズを太陽に向け逆光状態にしてから少しレンズの向きをずらしたりしながら良い角度を探すと分かりやすいと思います。
又、効果は出ていても現れている場所が白っぽいと分かりにくいので、うまく画にあわせて配置するのもポイントです。
このレンズは特に出やすくわかりやすいので(個体差はあります)、ドラマチックな画作りにもおすすめします。
※この記事はKino;Prismicという自身のブログを新たに加筆・編集したもので、画像は既出のものを使用しています。